READING

月あかりの夜に生まれた、二枚合わせの毛布。― 月の友「ミモザ」二重毛布


月あかりの夜に生まれた、二枚合わせの毛布。― 月の友「ミモザ」二重毛布

金沢・浅野川のほとり、水月という旅館。月のきれいな夜に、仲間たちが集まりました。話し合った末に始まったのが、寝具を扱う小さな会社――「月の友」です。1958年のことでした。

「月の友」という名前の始まり

社名の由来は、まさにその夜にあります。金沢浅野川畔の旅館「水月」で、月のきれいな夜に仲間が集まり、寝具を取り扱う会社を作ったことが、月の友の起源です。1964年には「全国月の友の会」として全国に拡大。現在は10拠点、150の販売店を持ち、従業員は約400人にのぼります。

綿の打ち直しをやめよう、と訴えた創業者

創業者・中嶋賢三は、当時、不衛生な「綿(わた)の打ち直し」を止めるべきだと寝具の改善を訴えました。その考えは全国各地に受け入れられ、販売店は急速に拡大していったといいます。

「感謝」の花、ミモザを選んだ理由

「感謝」の花言葉を持つミモザ

黄色くふんわりと咲くミモザは、「感謝」の花言葉で知られています。花のモチーフを商品化することはすでに決まっていましたが、当時インテリア系の製品デザインでミモザが人気だったこともあり、企画を担当した女性スタッフたちがこの花を採用しました。

遠く離れた家族への贈り物として

毛布は長年、親から子へ、子から孫へ、あるいは遠く離れた家族への、健康や幸福を願う贈り物として求められてきました。近年も、「祖母にもらった毛布が古くなってしまったが、探してもどこにも売っていない」という問い合わせが多く寄せられているといいます。お孫さんから「こんなに柔らかくてあたたかい毛布は初めて」という感謝の手紙をもらった、というエピソードを聞いたことも、この毛布をもっと広く知ってもらいたいと思うきっかけになりました。

ミモザ二重毛布

国産の二重毛布という、希少な存在

月の友が一番伝えたい価値は、「国産のしっかりした二重毛布は希少なものである」ということです。贈りたい相手の幸せや健康を想う気持ちまで、そのまま届けたい――そんな願いを込めています。国産の毛布離れが進む中でも、丈夫で長持ちする品質へのこだわりだけは譲らずに作り続けています。

アクリルとレーヨンが生む、やわらかさとあたたかさ

使用しているのは、アクリル85%・レーヨン15%の混紡糸です。この組み合わせにより、やわらかさとあたたかさ、そして吸湿発熱の性能が高まりました。

表面と裏面、二枚合わせの構造

日本でここだけの、一貫生産工場

生産を担っているのは、大阪・泉大津にある森弥毛織株式会社です。国内の工場がどんどん少なくなる中、プリントまで手がけられる一貫生産工場は、今では全国でここ一社だけになったといいます。海外製品があふれる世の中で、良いものを残していきたい――そんな思いから、この工場との関係を守り続けています。原材料を編み立てたのち、染色プリント、縫製、仕上げまで、完成までには約2〜3ヶ月を要します。

7版から9版を、ずれることなく

もっとも神経を使うのは、日本ではここだけとなった柄プリント工場での染めの工程です。7版から9版という多くの版を、ずれることなく毛布生地に合わせていく作業には、高い技術が求められます。

泉大津という、毛布生産日本一の町

生産拠点である大阪・泉大津は、国産毛布の産地としてその名を知られる町です。毛布生産日本一とされ、その起源は江戸時代にまで遡るといわれています。生産は、専門の協力工場によるOEM生産という形で行われています。

毎年変わる柄選びの、難しさ

開発でもっとも苦労したのは、柄の選定でした。柄は毎年変えてきましたが、その時々の流行に左右されず、繰り返し手に取ってもらっても違和感のない柄に出会うことは、簡単ではなかったといいます。試行錯誤の末、海外製ポリエステル毛布に見られるような毛羽抜けや、毛布から作った布団カバーの毛羽落ち・毛玉といった課題も、一つずつ乗り越えてきました。海外メーカーや他メーカーとの取引も試しましたが、最終的には、この森弥毛織一社との取引だけが残っているといいます。

商品の魅力を3つ挙げると

月の友の一番の魅力を3つ挙げるとすれば、次の通りです。希少な日本製であること。二重構造であること。そして、そのあたたかさ。寝具の軽量化が進む中で、あえてこの毛布の少しずっしりとした感触に、安心感や気持ちの落ち着きを覚えるという方もいるといいます。

どんな方に、どんなシーンで

遠くにいる家族の健康を願う気持ち、あるいは旅立つ家族への幸運を願う気持ちを添えて贈りたい、というシーンにおすすめです。近所ではあまり見かけなくなったこの毛布のことを、より多くの方に――世界の方にも――知ってもらいたいという思いで作り続けています。中には、軽い羽毛ふとんの上に重ねて使ったり、アウトドアや車の中で使ったりする方もいるそうです。

「これでなければダメ」という声

お客様から届く言葉の中には、「他を探してもない。これでなければダメ」というものがあります。贈られた方が、贈ってくれた相手のことを思い出しながら、大切に使い続けてくださっているというエピソードも届いています。リピーターの方に共通するのは、「品質が良いので、丈夫で長持ちする」という声です。

これから目指す先

今後は、ミモザ毛布に合わせたボリュームシーツのセット販売も検討しています。中国製のポリエステル毛布しか知らない世代にこそ、日本の良いものを知ってほしい――そんな思いで、これからも作り続けていきます。世界に誇れるものになるのではないかと考えていますが、それがどう受け入れられていくのか、楽しみにしているところです。

読者の方へ

贈り物として選ぶときには、老舗ブランドであることと、品質の良さが大切なポイントになると思います。中国製のポリエステル毛布しか知らない世代の方にこそ、日本の良いものに触れていただきたい。月の友の「ミモザ」二重毛布は、そんな思いを込めて、今日も大阪・泉大津の工場で一枚ずつ織り上げられています。

このブランドの商品

コレクションをすべて見る